RGFエグゼクティブサーチジャパン(以下「RGF」)の採用支援を通じて、Web系企業からNECにご転職、キャリアップを実現されたSite Reliability Engineer(SRE)の谷本様。最初の出会いから採用に至るまでのエピソード含め、担当コンサルタントの萩口と対談の機会をいただきました。
「Web系企業からNECに、新天地に求めたのはモノづくりへのこだわり」
――― NEC グローバルイノベーション戦略統括部 深層学習基盤開発グループ
SRE 谷本 祐一 様
「本質を見抜き、その人自身が気づかないキャリア機会を推薦」
―――RGFエグゼクティブサーチジャパン プリンシパルコンサルタント 萩口 博士
―本日はよろしくお願いします。最初に谷本様のこれまでのキャリアについて教えてください。
NEC谷本様:
よろしくお願いします!新卒としてWeb業界の会社に入社し、そこで日本最大級の広告サービス用の検索エンジン及びその周辺コンポーネントの開発/運用を7年半続けました。その後、同じWeb業界の大企業に転職してバックエンドアプリケーションの開発や、そのプラットフォームとしてKubernetesの構築/運用を3年ほど行いました。そして2024年2月にNECに入社しました。
―Web系エンジニアとしてのやりがいは感じていらっしゃいましたか?
NEC谷本様:
それはもちろん感じていました。日本最大級の広告システムや他にも有名なサービスのシステムを担当していたので、良い意味でのプレッシャーを楽しんでいたように思います。
―Web系エンジニアとしての歩み、とても順風満帆に見えますが、転職活動を始められた動機を教えていただけますか?
NEC谷本様:
振り返ってみると新卒で入った会社の広告の検索エンジンなどはビジネスにも絡むのですが、ミドルウェア開発つまり技術を作るという要素が強かったです。それに対して最初の転職先のシステムではよりお客様に近いところを担当していたためビジネス開発面、つまり技術を使うという要素が強かったです。そしてこの2つを比較して、やはり自分は技術を作っていくことをキャリアにしていきたいと考えて、転職活動を始めました。
RGF萩口:
やはり谷本様のように、ビジネスサイドと技術サイド両方のご経験をされた方だと、次のキャリアで悩まれる方が多いですね。両方をご経験されたからこそ、よりご自身として技術にこだわりぬくことでビジネスを変革していきたいというキャリアの方向性が定まったということですね。
―RGFエグゼクティブサーチジャパンからNECを紹介されたとき、最初の印象はいかがでしたか?
NEC谷本様:
正直に申し上げると、NECは開発を外注しているSIerというイメージしかなかったので、大して興味を持っていなかったです(笑)。しかし萩口さんからNECがAI研究用スーパーコンピュータ(AIスパコン)の開発をしている事を知り、ここなら技術を使うのではなく技術を作っていくというキャリアに進んでいくことができると思い、興味を持ち始めました。
RGF萩口:
そのようなイメージを持たれる方が実は多いんですよ。そこで北野様のご協力の元、AIスパコンチームについて、もっと知ってもらうためにカジュアル面接を調整しましたね。北野様とのカジュアル面談をされてNECやご自身の気持ちにどのような変化がありましたか?
NEC谷本様:
北野さんのお話を実際に伺ってみると、かなりコアな部分の技術開発をしっかり行っていることが分かり、自分のキャリアの方向性とガツンとマッチしているような気がして良い意味でイメージを裏切られました。これはかなり幸運な出会いとも言えますが、せっかく転職活動をするのならウェブ系の企業に限定せずにアンテナを張っていようと考えていたのでそれが功を奏しました。ウェブ系に限定しないという姿勢で転職活動に臨んだ当時の自分を褒めてあげたいです(笑)
―技術を使うのではなく、技術を作ること、モノづくりを追求されたかったということですね。
NEC谷本様:
そうなります。より具体的に言うなら、最近のWebアプリケーションの開発では、AWS、GCP、 Azureのようなパブリッククラウドの使い方を熟知することが求められており、それ自体はビジネス面で考えると完全に正しい戦略なのですが、それらを使うだけということに、どうしても興味を持てなかったんですよね。
それがNECであれば技術を使うのではなく、作る側に回るようなコアな技術開発ができると確信しました。
―確信されたとのことですが、何かきっかけがあったのでしょうか。
NEC谷本様:
北野とカジュアル面談を実施して具体的な話を聞けたことが大きなきっかけになりました。本当に色々なレイヤーの開発に携われると思ったんですよね。例えば、ソフトウェアのレイヤーだと認証/認可やジョブスケジューリングなどをKubernetesを拡張する形で実装したり、ネットワークのレイヤーだとケーブルの配線からその上のレイヤーまでのネットワークの構築だったりと、ただパブリッククラウドのSREをやるよりも広範なレイヤーに跨って開発に携われると思いました。そして、実際に入社してみて非常に多くのミドルウェアを内製していたり、スパコンにつながっているケーブルが理路整然とした配線になっており、理にかなったネットワークの構成になっていることを目の当たりにして、この選択は正しかったと思っています。
―転職時コンサルファームからも内定をもらっていましたが、なぜNECにしたのですか?決め手は何だったのでしょうか?
NEC谷本様:
決め手は、NECの方がより技術を作るという自身のキャリアの方向性にマッチしていたからになります。
コンサルファームの方も人格の素晴らしく優秀な方々に囲まれて難易度の高い仕事に取り組んでいくのであろうなという楽しそうな未来は想像できました。しかし、コンサルファームでは、どちらかというと技術を使う方の仕事であったため私の志向とは少し異なるように思いました。
―現在は、どんな仕事をされているか教えていただけますか?
NEC谷本様:
AIスパコンを支えるソフトウェア基盤の開発や運用をしています。具体的にはAIスパコンを効率よく管理するためのソフトウェア基盤の中核としてKubernetesを使っているのですが、従来の機能だけでは全然足りないのでそれを埋めるためにソフトウェアを自作して運用しています。
―実際に入社してからの良かった面は何でしょうか?
NEC谷本様:
良いと考える面は三点あります。
一点目は、研究開発職なので企画職などのビジネス系のステークホルダーがおらず調整などの業務が一切なく、今まで経験したことのないスピード感で開発に集中できることです。
ビジネスが絡むとどうしても関係各所との調整が必要になってしまい、それが開発スピードのボトルネックになってしまうと思います。こればっかりはどうしてもお金が絡むのでしょうがないのですが...
―今までにないスピード感で開発できるという事について、もう少し教えていただけますでしょうか。
NEC谷本様:
はい。ビジネスが絡む開発現場だと設計->レビュー->開発->レビュー…のようにレビューを挟むことでどうしても開発のテンポが悪くなってしまうのですが、企画などのビジネス職との調整がほとんどないため、素早く設計->開発…と回していくことができます。
―なるほど、それだとモノづくりに集中できるということですね。他の点も教えていただけますでしょうか。
NEC谷本様:
二点目は、コードが非常に綺麗に保たれているということです。これはNECというよりも上司の北野のポリシーなのですが、高いコード品質を保てるエンジニアのみでソフトウェア基盤のコア部分チームを構成する方針であることから、必然的にコードが綺麗に保たれています。最初読んだときはあまりにも綺麗だったので感動するというよりも逆に自分がこのレベルについていけるか心配になりました(笑)
RGF萩口:
コードが非常に綺麗、なんともエンジニアの方々しかわからないような….!でもそういった点も魅力に感じられたポイントなのですね。他にはいかがですか。
NEC谷本様:
はい。エンジニアにしか分からないかもしれないのですが、汚いコードを保守するのは冗談抜きで苦痛なんですよね。それだけで仕事のストレスになるレベルで(笑)。なので綺麗なコードだけがあるというような環境はそれだけで幸せなことだと思ってます。
三点目は、思ったよりもかなり多くのミドルウェアが自作されているということです。Kubernetesは確かに柔軟にカスタマイズできるソフトウェア基盤ですが、基本的には既存のエコシステムであるOSSを使うことでニーズを満たす使い方がメインになると思っていました。しかしAIスパコンは一般的なニーズだけでは足りないので自分達で作らないといけない部分がかなり多いです。これを悪い点ととらえる人もいるかもしれませんが、技術開発が好きな人は良い点だと捉えると思っています(笑)
―実際に入社してチャレンジングだと感じた点はありましたか?
NEC谷本様:
チャレンジングだと考える面は二点あります。
一点目は、開発スピードが非常に速いということです。先ほど良かった点であげましたが、それは裏を返すとその分だけ素早く挑戦をして失敗してまた挑戦するというサイクルを速くしないといけないということになります。入社して間もないこともあり、その開発スピード自体をプレッシャーに感じることもあります。今までですと、開発後に複数人にレビューをしてもらって問題がなさそうなら次に進むという形で仕事を進めており、開発スピードそのものもゆっくりしていました。それに対してNECでは、開発を自分の責任でどんどん次に進めていくという形になり、非常にスピーディーです。もちろんレビューもしてもらいますが、それは問題がありそうかというチェックというよりも知識の共有という側面が強く、プロフェッショナルとしてコードを主体的に書いていく必要があります。
二点目は、技術開発の答えがネット上にはないということになります。新しいことの挑戦になるのでネット上にやろうとしていることが載っているということはないです。もちろんやろうとしていることは既存の技術の組み合わせであることが多いので、それぞれの既存の技術についてはネット上にありますがそこから先は自分で考えないといかなければなりません。これが技術を作るのと、技術を使うことの大きな違いになります。
これらの二点は、研究開発ならではのチャレンジングな面ですが、 非常に面白いと感じています。
―今後、NECでプラットフォームエンジニアとして働くことで期待していることは何ですか?今後の展望などあれば、教えてください。
NEC谷本様:
とにかく開発を多く回してAI開発プラットフォームを使いやすくしていきたいです。そしてAI研究者がよりよいAIを作り、それがNECの大きなビジネスとなって日本を支える産業になってくれればそれほど嬉しいことはありません。そこに大きな期待をしています。この結果として私自身が良いエンジニアとして成長できていれば、なお良いですね。
―チームメイトとして、どんな人材と一緒に働きたいですか?
NEC谷本様:
自分の意見を言うのと同じくらい人の意見にもしっかりと耳を傾けてくれる人がいいですね。そういう人だと議論を活発にしてよいものを作るという風土のプロのエンジニアリング集団を一緒に作っていけますし、それによってより良い開発ができると思っています。
―何故、RGFを転職のパートナーに選んでいただいたのですか?
NEC谷本様:
候補者やクライアント企業の思いに共感し、それを全力でサポートする姿勢が強いからです。事実、転職前及び転職後のサポートが手厚く、転職後の今でもお世話になっているくらいです。こういった献身的な姿勢により、私の今の上司の北野も非常に信頼を寄せており、それがNECに馴染みやすくしてくれたとまで考えています。萩口さんとの出会いは、私のキャリアの転機となりました。彼のサポートは単に転職という無機質な言葉に収まらず、キャリアの成長と自己実現を共に目指す真のパートナーシップであると考えます。
【NEC社 x RGF ES対談 vol.1】※AIスパコンで加速するNECの社会価値創造、はこちら。
Profile
NEC グローバルイノベーション戦略統括部 深層学習基盤開発グループ
SRE 谷本 祐一 様
ヤフー株式会社に新卒で入社、Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)と呼ばれる広告サービスの検索エンジン及び周辺コンポーネントの開発/運用を担当。その後、LINE株式会社から出向で出前館のバックエンドアプリケーションの開発やそのプラットフォームとしてKubernetesの構築/運用を担当。2024年2月にNECに入社。
NEC グローバルイノベーション戦略統括部 深層学習基盤開発グループ
上席研究員/ディレクター 北野 貴稔 様
インド国民13億人が利用する世界最大の大規模生体認証システム(アドハー)を実現、政府・空港等を中心に大規模AIの実行プラットフォームを世界40か国へと展開。現在は、機械学習の研究テーマリーダーを経て、国内最大級の「NECのAI研究用スーパーコンピュータ※」の企画・設計・開発・運用を主導。NECの先進AIの技術開発から事業化までを統合的に支え、一貫してNECの先進AIの競争力強化に携わる。
※ 社会価値の創造を加速するNECのAIスーパーコンピュータRGFエグゼクティブサーチジャパン
プリンシパルコンサルタント 萩口 博士
20年以上に渡り日本のリクルーティング業界で勤務しており、テクノロジー分野のスペシャリストとして、アプリ開発、インフラストラクチャー、DX、エンジニアリング、プロジェクト/プロダクトマネジメント等の様々な分野の高度エンジニア人材の採用を担当。
専門分野としては、テックリード/リードエンジニア、インフラストラクチャリーダー/マネージャー、プロジェクト/プロダクトマネージャー、ITコンサルティング/システムインテグレーション等のエンジニア採用であり、中間管理職からエグゼクティブ層・トップマネジメントの採用実績多数。
クライアントと候補者の両方の満足度を重視しており、ゼロからのチーム作りや難しい市場での採用など様々な状況の採用経験を活かし、多様なクライアント様の採用の支援並びに候補者様のキャリアアップをサポート。
【萩口からのメッセージ】
クライアントや求職者からの想いに視点をおくことを大切にしています。人材は十人十色で一筋縄ではいきません。以前に比べ、近年IT業界においてあらゆる職種や企業があふれています。ご自身の[Next Career]に対し、どのような道を描いていくのか、求人票だけでは決して見えない奥の情報を共有しつつ、一緒に考えサポートできれば望外の喜びです。